熱帯魚を飼育するために生体が快適に生活できる環境を作るためには水換えも必要ですが、水槽内の水を生体が安全に生活できるように浄化する濾過器(フィルター)が重要です。

 

いろんな種類の濾過フィルターがあり、特に初心者にはどれを選べばいいか分からない方も多いでしょう。

 

単純に熱帯魚を飼育するだけならどのろ過器を選んでも問題ありません。

 

ただフィルターには向き不向きがあるので、水槽にあったフィルターを選ぶようにするのが良いでしょう。

 

どうしても決めかねる時は好みで選んでも問題ありません。

 

ろ過フィルターとは

水槽内の汚れた水を生き物に害がないまで浄化するために利用する装置。

 

熱帯魚の糞や水草の枯れ葉など目に見えるゴミを物理的にろ過したり、排泄物や枯れ葉などから出る生き物にとって有害なアンモニアなどを生物的にろ過することで生き物を安全に飼育できる水を保ちます。

 

ろ過の仕組みは水槽を立ち上げる前に!に詳しく書いています。

 

ろ過フィルターの種類ろ過フィルターは大きく分けて7種類

  • 外部式フィルター
  • 上部式フィルター
  • 底面式フィルター
  • 外掛け式フィルター
  • スポンジフィルター
  • 水中フィルター
  • オーバーフロー

 

それぞれ水槽サイズ、飼育する熱帯魚や水草によって適したフィルターを選ぶのが一般的ですが、熱帯魚飼育に絶対はないので趣味嗜好で選んでも構いません。

 

独自の飼育理論を構築するのもアクアリウムの醍醐味だと思います。

 

どれを選んでも構わないと書きましたが、やはり適してないフィルターを使用すると熱帯魚飼育や水草育成の難易度が上がるので初心者の方はなるべく目的の熱帯魚飼育に適したフィルターを使用するようにしましょう。

 

外部フィルター

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密閉可能なろ過槽(ろ材を入れるケース)を持ち、モーターを使って水槽とろ過槽を循環させるのですが、水槽から濾過槽までは重力により水を落下させるので基本的には水槽の下にフィルターを設置します。

 

水槽の外に濾過槽を持つので外部フィルターと呼ばれます。

 

外部フィルターの適正サイズ 

  • 30cm~

 

外部フィルターのメリット

  • 濾過される水槽水が空気に触れないので添加したCo2を逃がしにくい
  • 水槽上部が空くので開放感があり、より多くの照明をセットできる。
  • 密閉されているので動作音が小さい
  • 使えるろ材の種類が多い
  • 交換パーツが多いので長く使える

 

外部フィルターのデメリット

  • フィルターを水槽の下に置くため設置スペースが必要になる
  • 価格が高めメンテナンスが少し面倒
  • 濾過槽で空気に触れないため濾過槽が酸素不足になりやすい

 

外部フィルターおすすめ水槽

水草水槽

  • 添加したCo2を逃しにくく、水槽上部が空くのでライトの光量を上げることができます。
  • 30cm以上の水槽では一番選ばれているフィルターではないでしょうか。
  • 色々なパーツが販売されていて拡張性が高くい
  • 水槽内や水槽上部がスッキリするのも大きなメリットなので非常に使いやすいフィルターです。

 

外部フィルターに不向きな水槽

大型魚水槽

  • 排泄物が多い大型魚には物理ろ過能力が強く求められるのでメンテナンス性が低い外部フィルターは手間が掛かります。

 

小型水槽

  • ほとんどの外部フィルターは25リットル(30cmキューブ)以上の水槽用に作られていて、30cm以下の小型水槽に適応する外部フィルターは調べた範囲ではありませんでした。
  • 流量を絞ったりすることも出来ますがモーターに負担を掛けるのでわざわざそのような使い方をするのは本末転倒なので底面フィルターや外掛けフィルターを使う方が良いです。

 

上部フィルター

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上部フィルターは水槽上部に乗せて使うフィルターです。

 

枠付き水槽とセットで安く販売されてる事も多く一番最初に買う方も多いようです。

 

水槽からポンプでくみ上げた水を水槽上部の濾過槽を通り水槽内へ落下させる方法でろ過をします。

 

水槽上部に設置するため基本的には水槽と横幅が同じになるので、他のフィルターと比べるととても目立ち見栄えが良いとはいえません。

 

しかしろ材容量が多きくなるので濾過能力が高いというメリットに繋がります。

 

上部フィルターの適正サイズ 

  • 30cm~60cm
  • 90cm
  • 120cm

 

部フィルターのメリット

  • 値段の割に濾過能力が高い
  • 濾過効率が良いため濾過能力が高い使える濾材が多い
  • 物理濾過、化学濾過、生物濾過が使いやすい
  • 酸素供給が同時に行える
  • フィルターのメンテナンスが楽

 

上部フィルターのデメリット

  • 水槽上部を覆うので照明の光量が稼ぎにくい
  • 添加したCo2を逃がしやすい
  • 作動音や落下音が少しうるさい
  • 給排水口の位置の自由度がほぼない
  • 変則的な水槽では使いにくい

 

上部フィルターおすすめ水槽

大型魚水槽

排泄物が多い大型魚には物理濾過能力が高くメンテナンス性が高い上部フィルターが最適です。

 

生体メインの水槽

金魚やメダカなど生体メインの水槽にもメンテナンス性が高い上部フィルターが向いています。

 

上部フィルターに不向きな水槽

水草水槽

せっかく添加したCo2を濾過器が逃がす。

水槽上部を覆ってしまうので光量が必要な水草の育成に向きません。

 

オールガラス水槽

上部にフィルターを載せることを前提に設計されていないので、ガラスの接合面に負荷が掛かり思わぬ事故に繋がる危険性があります。

 

特殊サイズの水槽

構造上、水槽の枠に引っ掛けて使用するのでフィルターのサイズに合わない水槽では使用できない。

 

底面フィルター

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水槽の底面に敷いて使うフィルター。

 

スノコのような穴の開いた板の上に底床を敷き詰め、エアポンプや水中モーターで水を循環させることで底床を濾材として濾過するシステムです。

 

底床をろ材として使用するので圧倒的に濾過能力が高いのですが、底床をろ材として使うことでメンテナンス性が悪い上、物理濾過と生物濾過を底床で行うためプロホースなどでこまめに掃除をする必要があります。

 

排水を底床式フィルターに通すことにより湧き水のような吹き上げ式ができる

 

底面フィルターの適正サイズ 

~60cm

 

底面フィルターのメリット

  • 値段が安い
  • 底床がろ材になるので濾過能力が高い
  • 水槽上部が空くので見栄えがいい
  • 他のフィルターと連結するなどの自由度が高い使い方ができる
  • 稚魚などの小さい生体を吸いこまない

 

底面フィルターのデメリット

  • 底床で物理濾過をするので汚れが溜まりやすい
  • 底床の肥料分が流れ出したり水草の根が絡むなどするので水草を植えるのに不向き
  • 一度セットすると違うフィルターに交換が出来ない

 

底面フィルターおすすめ水槽

エビ水槽

  • 濾過能力が高いので水質にうるさいエビ飼育向いている
  • 生まれたばかりの稚エビを吸いこまないのも良い

60cm以下の熱帯魚メイン水槽

  • メンテナンス=底床掃除なので大きい水槽ほどメンテナンスが大変になるので60cm以下の水槽に向いてます。

 

底面フィルターに不向きな水槽

水草水槽

  • 底床内の肥料分がどんどん流れだしてしまうので水草育成に向かない
  • フィルターに水草の根が絡まり植え替えの際にフィルターを持ちあげてしまうとリセットする必要がある

 

外掛けフィルター

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水槽の縁に掛けて使用するフィルターで手軽に使用することができます。

ほとんどの製品が「物理濾過+化学濾過」でろ材は交換する事が前提で作られています。

そのためメンテナンはとても簡単ですが、交換用として販売されている交換用カセットを使用するとコストパフォーマンスがとても悪いです。

「物理濾過+化学濾過」の製品そのまま使用すると濾過能力は低いのですが、加工や改造して多孔質ろ材で生物濾過をできるようにすれば濾過能力を高めることが可能です。

外掛けフィルターは初心者向け小型水槽のセット品として販売されていることが多いのですが、基本的に濾過能力が低いので知識のない初心者にはあまり向いていないフィルターです。

外掛けフィルターの適正サイズ 

  • ~45cm

 

外掛けフィルターのメリット

  • 比較的安価で入手しやすい
  • 設置がやメンテナンスが簡単
  • 水槽の枠に引っ掛けるので水槽上部が空く
  • 簡単な構造なので加工改造がしやすい

 

外掛けフィルターのデメリット

  • ろ材を定期的に交換しないといけないのでコストパフォーマンスが悪い(維持費が高い)
  • 濾過能力が低い
  • ほとんどの製品で生物濾過が期待できない
  • 小型水槽の水流調節が難しい

 

外掛けフィルターおすすめ水槽

小型水槽45cm以下の水槽

特に小型水槽でアクアリウムを始めてる方はほとんど外掛けフィルターをつかわれてるのではないでしょうか。

筆者も初めてのフィルターは外掛けフィルターでした。

加工改造し生物濾過が出来るようにすれば小型水槽でならなんとか使えます。

Co2を逃がすので水草水槽にあまり向かない。と聞きますが水流を抑えて排水口を水面から離さなければそれほどCo2を逃がさないので一般的な水草であれば十分育てられます。

 

トリートメントタンク(水槽)

トリートメントタンクとは=新しく購入した熱帯魚や水草はすぐに水槽に入れるべきではないので(立ち上げ時以外)1週間~2週間程度、隔離水槽で検疫を行うのが理想です。

熱帯魚や水草の購入時にしか稼働させないので設置が簡単な外掛けフィルターは理想的です。

 

外掛けフィルターに不向きな水槽

60cm以上の水槽

濾過能力不足なので基本的には使用しません。

手持ちの外部フィルターが複数余っていても使用するメリットはほぼないでしょう。

熱帯魚の多い水槽小型水槽でも飼育数が多い水槽では濾過能力が不足するので向いていません。

スポンジフィルター

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エアーポンプや水中モーターなどを使いスポンジに飼育水を通過させ濾過するフィルターです。

パイプにスポンジが刺さってるだけのシンプルな構造ですが濾過能力が高く、物理濾過と生物濾過をこなす優れたフィルターで小型水槽であればスポンジフィルター1つで飼育できます。

生体の飼育数が多いとフィルターが汚れやすく定期的なメンテナンスが欠かせません。

給水口がスポンジで覆われているので、稚魚や稚エビを吸い込まないのでブリーディング水槽やシュリンプ水槽などで多く使用されています。

スポンジフィルターの適正サイズ

  • ~60cm

 

スポンジフィルターのメリット

  • 価格が安く濾過能力が高い
  • 構造が単純
  • 外部フィルター、上部フィルター、外掛けフィルターのプレフィルターとして使える
  • 稚魚や稚エビを吸い込まない
  • 水槽内に設置するので水槽の周りや水槽上部がスッキリする
  • 複数使用することで大型水槽でも使えるサブフィルターとしても使いやすい

 

スポンジフィルターのデメリット

  • 目詰まりを起こしやすいので定期的なメンテナンスが必要
  • 見栄えが良くない

 

スポンジフィルターおすすめ水槽

生体メインの水槽(シュリンプなど)

濾過能力が高くエアレーションがしっかり出来るのと、稚魚や稚エビを吸い込まないので繁殖用の水槽にも向いてます。

プレフィルター

外部フィルターや上部フィルターのプレフィルターとして使うことで物理濾過の役割を担うのでメインのフィルターのメンテナンス頻度が減り、濾過能力の向上が見込めます。

稚魚や稚エビを吸わない効果もあります。

 

スポンジフィルターに不向きな水槽

水草水槽

エアポンプでフィルターを機能させるのでCO2を逃してしまう。

水槽内にスポンジを入れるので水草の植えられる場所が減る。

 

水中フィルター

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水槽内にフィルターを入れて使用するタイプで一般的に投げ込み式フィルターと呼ばれることが多く、エアポンプに繋いで使用し物理濾過と生物濾過が期待できます。

安価で設置も水槽内に入れるだけの手軽さで金魚飼育で多く使用されています。

水中フィルターの適正サイズ 

  • ~60cm

水中フィルターのメリット

  • 値段が安く設置が簡単
  • 投げ込むだけなのでトロ船や金魚鉢など水槽以外にも使用しやすい

水中フィルターのデメリット

  • 見栄えが悪いCo2を逃がしやすい
  • 大きさの割に濾過能力が高くない

水中フィルターおすすめ水槽

金魚水槽

投げ込み式フィルターといえば金魚ですね

金魚鉢など特殊な形状の水槽

水槽の底に置くだけなのでどんな容器にも使用できます。

水中フィルターに不向きな水槽

水草を植える水槽

水槽の底に置くのでハッキリ言ってジャマです。

オーバーフロー式濾過

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濾過槽からポンプで水槽に水を送り溢れた水を濾過槽に戻して濾過するシステムです。

水槽外に濾過槽を用意するので大容量のろ材が使えるため圧倒的な濾過能力を誇ります。

他のフィルターに比べて構造が複雑になるので値段が格段に高くなります。

飼育水が汚れやすい大型魚や海水魚水槽で使用されることが多いです。

規模が大きくなりがちですが、そのメリットは大変大きく、ヒーターなども濾過槽に設置出来るので水槽内になにも入れなくていいので見栄えの面でも他のフィルターの追随を許しません。

手軽さが全くない以外は最強の濾過器です。

オーバーフロー式濾過の適正サイズ 

60cm~

オーバーフロー式濾過のメリット

  • 濾過槽の大きさからくる圧倒的な濾過能力
  • 濾過効率がいい水換えを含めたメンテナンスが楽
  • 水槽内にヒーターなど何も設置しなくていいので見栄えがいい

オーバーフロー式濾過のデメリット

  • とにかく高価
  • 水の落下音がうるさい
  • 設置が大変

オーバーフロー式濾過おすすめ水槽

大型魚水槽

大型魚などの水を汚しやすい生体の飼育では濾過能力が問われるので最適です。

180cm以上の大型水槽

対応するフィルターがない大型水槽では複数のフィルターを用意するよりコストやメンテナンス面でオーバーフロー式を選択した方がいろいろメリットがあります。

海水水槽

アンモニアはアルカリ性では猛烈な毒になるので海水水槽ではより高い濾過能力が求められます。

プロテインスキマーや殺菌灯など水槽に設置する器具が多い水槽にも向いています。

オーバーフロー式濾過に不向きな水槽

小型水槽手軽さが魅力の小型水槽ではその魅力を消してしまいます。

水草水槽濾過槽に水が落ちる際、Co2が逃げてしまうので不向きです。

 

以上がそれぞれのフィルターの大まかな特徴や選び方の基準です。

自身が目指すスタイルがある程度決まっていれば、おのずと選ぶフィルターも決まってきます。

それぞれのフィルターの説明は一般的なもので商品によっては当てはまらないものもあるかもしれません。

フィルターを購入する際は、その商品に求める特徴があるか確認するようにして下さいね。